昨シーズンの冬、電源なしで氷点下の夜を乗り切った山猫には、ベランダで寝る実験キャンプにもうニーズはないはずだった。
だがぽっかりと早く帰って来れた土曜日。
翌日も仕事なのでソロで出るわけにもいかず、一応コンテナから持ってきたキャンプ道具をビールを飲みながら眺めていた。
「やるのか?やるのか俺?」と心の中でつぶやきながらジャンバーを着て寒いベランダで独り座り込んでいた。
ふと天気予報を見ると、翌朝の最低気温は0℃の予想。
「ふむ。シュラフインシュラフ(10℃対応)の快適温度は0℃だと想定できると、この前自分でブログに書いたな…」と思い出す。
※シュラフの対応温度について考えたレポは
こちら
やってみるか!
腹を決めた山猫。
10℃対応の3シーズンシュラフ2枚重ねが本当に0℃の夜でも快適に寝れるのか、試しておく価値はあるはずだ。
そして山猫が
快適に寝れるというのは、
パジャマ(スウェット)に靴下だけを着用して寝る、ホカロンや湯たんぽはなしと定義している。
パジャマだけで寝れる温度が分かれば、それ以上寒い夜になった時は追加の対応策を取ればいいだけなのだ。
ベランダ設営完了!
フロアは下から銀マット+ウレタンマット2枚(コンフォートマスター フォールディングマット120)、そしてシュラフインシュラフ。
余談だが、インフレマットの方が寝心地も良いし、下からの冷気も防げるとアドバイスを頂く事もあるが、まったくその通りだと思う。
では山猫はなぜエアマット系を使わないのか。
インフレマットよりウレタンマットの方が安いというのも、もちろんある。
だが山猫が密かにウレタンマットを支持している理由は、
パンクのリスクがないことと
設営・撤収が楽だからである。
冬に電源なしでキャンプをする場合、最も恐るべきは寝る時の下からの冷気。
万が一、現地でマットがパンクしていたら…?というリスクを回避する決断をしたのだ。
その代わりに寝心地はある程度妥協することになるが、ウレタンのフォールディングマットで、翌朝身体が痛くなったことは幸いにも今のところない。
15時過ぎに設営を開始してファニチャーもセッティングする。
この際なので508Aの燃焼テストも行った。
テント前面はオープンで前室には地面から隙間もある。
ベンチレーション解放で後面は10cmほどメッシュにする。
温度計が見当たらないので予報ベースだが、15時過ぎの気温は9℃。
点火した508Aはあっという間にテント内を暖めた。
フロアに置いている警報機はまったく作動しないので、「これだけ換気してると大丈夫なのかな」と思ったが、一応持ち上げてみると、
一気に数値は145まで上昇したので、508Aは消灯。
やはり警報機は必須ですね。
※テントの中は火気厳禁です
シュラフインシュラフ完成。
「なんでわざわざ辛いことするのかねぇ」(山猫ママ)
「げっ!テントで寝るの?俺は嫌だからね」(息子猫)
「あたしも一緒に寝るー!」(猫娘)
ということで2人分セッティングした。
Yahoo天気ではこの頃の気温は7℃程度。
猫娘と2人、シュラフに入って見ると、
「あったか〜い」と言って猫娘撃沈。
疲れ切っている山猫も即落ち。
18時半まで昼寝?してしまった。
猫娘を起こしてお風呂に入り、うちの中でカレーを食べ、いよいよ時刻は21時頃。
山猫は厚手のパジャマに靴下。
下着はヒートテックでもなんでもないTシャツにパンツだけである。
山猫に言わせれば、これで寝れなければ快適温度などとは言えないのだ。
猫娘は子供なので5℃のハンデを考慮して、パジャマに上着着用でGO!
21時頃の気温はおそらく5℃程度で、ベランダに出るとさすがにパジャマでは寒い。
だがシュラフに入ると、上着を着た猫娘は暑い暑いと言ってシュラフから出たがる。
これも余談だが、子供にとって実は暖か過ぎるシュラフにもリスクがあるそうだ。
余りにもオーバースペックのシュラフを使う→暑くて寝汗をかき、身体を外に出してしまう→そのまま寝てしまい汗が身体を冷やす→寒さに目を覚ます頃には風邪をひいている、というリスクがあるらしい。
「これからぐんぐん寒くなるんだ、もう少し我慢してな」となだめて、シュラフの中に猫娘を押し込む。
この後、0時には2℃、明け方の5〜6時頃には0℃の予報だ。
0時頃。
「パパ、やっぱり暑い。これは脱ぐ」と猫娘が上着を外に出す。
まだ気温は2〜3℃だろう。
山猫もシュラフの2枚重ねで暑いくらいだったので、上着を脱ぐことを許可し、猫娘のシュラフの上にかけてやった。
2:30過ぎ。
早く寝たからか目を覚ます。
腰から下は暖かいが、封筒型シュラフはやはり肩口から冷気が入ってくるのでシュラフを首までたくし上げる。
顔までシュラフに包まる猫娘を揺り起こし、
「寒くないか?」と聞いて見るが、コクンと頷いたまま目をあけない。
またインナーテントのフロア付近に湿りを感じる。
結露が発生しているようだ。
5:16
再び目を覚ます。
やはり肩口からの冷気を感じる。
お腹から足にかけては寒くはないが、もはや暖かいとも言えない。
首から肩にかけての冷気は、氷点下近辺のあの刺すように痛い寒さだ。
猫娘はちゃんと頭までシュラフを被っている。
また話しかけて起こして見るが、
「大丈夫だよ、寒くない」と答えが返ってきた。
朝。
キャンプ場でも起きて外に出る時間だ。
テントの入口をオープンし、前室で508Aを点火。
冷え切っていたテントの中の空気が一気に暖まるのを感じながら、煙草を吸った。
Yahoo天気を見ると、いつの間にかこの日の6時の予報は-1℃になっていた。
どうやら軽い氷点下になったらしい。
〜感想〜
10℃対応シュラフの2枚重ねの快適温度は0℃程度である事を確認出来た。
でも封筒型シュラフでは、やはり肩口が寒い。(※人によってこれは、快適な睡眠と言えないかもしれない)
「山猫はきっと寒さに強い体質なんだよ」と思われるかも知れないが、確かにどちらかというと筋肉質な身体ではある。
だが参考までに記しておくと、
「パパは寒くなると真っ先に暖房つけるって言い出すし、暑くなると誰よりも先にクーラーつけるよね」とママに言われている。
それほど尋常じゃない身体能力を持ってる訳じゃないと自分では思います(^_^;)
以上から、新たにシュラフを買うとしたら、マミー型の-5℃程度対応シュラフがターゲット(快適温度0℃目標)になる。
-5℃〜5℃程度の冬キャンプに使えるし、-10〜-5℃の厳寒ならマミー型と3シーズンを重ねれば行けそうだ。
0〜5℃の季節(GWなど)は女性陣に使わせれば、万一電源が停電しても大丈夫そうである。
これ以上高性能だと寝汗のリスクがあるし、低性能だと寒いだろう…
もし家族全員で真冬のキャンプを始める事になったら、その時はさらに-15℃対応などの高性能シュラフも考えなければならないが、今のところは想定外である。
ベランダキャンプの後、山猫は無事に仕事に出発したし、猫娘はその後風邪をひくことも熱を出すこともなく元気である。
「うん、寒くなかった。暖かかったよ」と少し自慢げな猫娘の笑顔を見ながら、山猫も少し満足気に微笑むのだった。
※補足
山猫はあくまでも整地されたキャンプ場でファミリーキャンプをメインにすることを想定しています。
雪山登山や過酷な環境での野営は、今のところまったくやる気も予定もないので、それらへの対応は考慮していません。
そして寒い時期のキャンプはやはりそれなりの備えが必要だと思うのであくまでも自己責任でお願いしますm(__)m
まだ幼い娘に何をやらせてるんだ、と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、ぶっつけ本番で冬キャンプに連れて行くより、すぐに家に戻れるベランダキャンプの方が安心だと思い実行しました。
ご了承ください。
おわり…
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