木のむら#2 テーマは"焼鳥屋さん"の巻

山猫

2014年04月17日 21:51

2014.4月某日 1泊 ソロ
埼玉県ときがわ町 木のむらC

続きです。



平日なので、村の中で1人きり、完ソロ達成です。


車は村の中には入れない。

腰の痛みは軽くなっているものの、荷物を運ぶのは少し不安があった。

だが、ここまで来たらキャンプをするしかない。

まずはコールマンSTとマスターヘキサ、それにブルーシートを抱えて、軽装でサイトに向かってみる。




車を停めた場所から村内に入る緩やかなくだり坂。



大人数も収容できそうなBBQ棟。

この日は団体さんがBBQをやってらっしゃり、山猫の到着の時間はそろそろお開きの時間だった。



村内の中央を流れる川を挟んで、バンガローZONEと常設テントZONEが立ち並ぶ。


なんだか、MSRツインブラザーズに似た形だな…

と思いながら触ってみるが、かなり分厚いビニールの素材だ。


このテントじゃ夏場は暑そうだな…


と思いながら、さらに進む。



やっと1番奥のテントサイト手前に到着。

トドメは急な階段だ。




高台にあるテントサイトは15m四方ほどのじゃりスペース。


この時、係りの方が通りかかり、

「こんにちは、もしかして今から泊まり?」と話しかけてくれる。

「ええ、お世話になります」

「ここはね、この前俺が掃除したんだ、葉っぱや枝がすごかったんだよ〜」

「はぁ〜そうなんですかぁ、でもここってテント何張りくらいまで入れるんですか?」

「3張か4張だねぇ、でも目一杯4張入れるとBBQやる場所がないんだよな、それでもね、夏は人気なんだよ、このサイトも」


なるほど、これしかスペースのない所にテントとタープを張ったら、確かに倍の値段になるわけだ…


山猫は、テント1張¥2,000、タープ1張¥2,000の意味に納得した。


「レンタルはないね?17時で閉まるから、気をつけてね〜」

「はい、お世話になります」



1人、設営前のサイトを眺める山猫。




結構な距離だな、控えめに言って…




おそらく300mは歩いただろう…




6往復して、日暮れ前に何とか設営完了。

山猫のキャンプはオートキャンプがメインとは言え、自分のキャンプ道具の移動性能の低さに、少し愕然としたのは言うまでもない。




高台にあるテントサイトを下から見上げて見る。


まぁ、景色はいいね、景色は…



山猫は、できる限り世の中の良い面を見て生きて行こうと心掛けているのだ。




やっと一息で、ボイルタコを前菜にビールを空ける。




ビールを1本飲む間にも日は暮れて、トワイライトゾーンへ突入。




今日のテーマは焼き鳥。

今回のキャンプに行く際に、

「俺は車で通う今の仕事になってから、仕事帰りに焼鳥屋で一杯とか、まったくやらなくなった、そういう意味でもちょっとキャンプに行ってきてもいいんじゃないかと思うんだけど」とママを説得して来た。

「・・・、それもそうだね、気をつけて、ゆっくりしてきて」

それが山猫ママの言葉だったのだ。




気温は10℃前後で、少し冷えてきたので焚火も開始。


その時、野良猫が目の前を通り過ぎる。

ゆっくりとサイトの前を歩きながら、横目でこちらを伺っているのが分かる。


キャンプ場では、猫を見かけると、可愛さに餌を与える人もいるのだろう。


野生の猫が生きていくのが大変なのは分かる。

だが山猫は、いいかい?世の中は想像以上に残酷なんだよ、と野良猫に語りかけるスタンスで臨んだ。


完ソロは初めてではないのだ、野良猫程度ではビビらないが、ふと「幽霊は怖いな…」と考えてしまう。



いかん、いかん!



あの世の者たちは、それを考えた人に寄ってくるともいう。

山猫は1人、誰も居ないキャンプ場で、口笛をふいて、気分を変えた。




22本入りの焼鳥は食べきれず、ビールにも飽きてきたのでレモンチューハイに切り換えた。

腰の炎症にアルコールはあまりよろしくないらしいし、何よりも今回は"焼鳥屋さんキャンプ"がテーマなのだ。

焼鳥屋さんでは、バーボンもラムも頼まない。

やはり今日は軽めの酒で夜を過ごすのである。


川のせせらぎを聞きながら、テントに潜り込んだのは22時過ぎだった。



朝の気温は6℃。

電源などは無いので、一応シュラフの2枚重ねで眠ったが、この気温ならダウンは着なくても寒くは無かった。



高台から景色を眺め村の番人になる。

腰の痛みはまだ残っていたが、気持ちの良い目覚めで5:30くらいだった。




積載に課題を抱える山猫の新兵器、収納ボックスを今回導入し、クッカーセットや食器、ジャグなどを入れてみた。

荷体重80kgで、テーブルにもイスにも踏み台にもなる。

昨夜のゴミもこの中に入れておいたので、野良猫にゴミを荒らされることも無かったようだ。


実はこのキャンプ場には、オートサイトのようなゾーンもある。



少し離れているが、朝の散策がてらに新テントサイトと呼ばれる場所も偵察。

サイトにもよるだろうが、横幅が3mない所も少なくない。

どうやら常設テントゾーンに張ってあったカラフルなテントのサイズを基準にして、区分けしたようなイメージだ。

一般的なファミリードームテントの設営でもなかなか難しそうな印象だった。


管理人さんは、この辺の事も分かった上で、俺をあちらのサイトに案内してくれたんだな…


と思った。

ずいぶん歩かせるじゃないか、と少し不満に思っていたが、今更ながら管理人さんに感謝する。



世の中は、捨てたもんじゃないのだ





一時は、どうなる事かと思った今回のソロキャンプもそろそろ終わりだ。


またもや300mの距離を、荷物運びに6往復して撤収完了。


バックパックまでは無理だけど、もう少しキャンプ道具を身軽にしてもいいかもな…


と思いながら、家路に向かう山猫だった。

今回のキャンプで山猫が、仕事帰りに焼鳥屋で一杯呑んで帰るサラリーマンのようにご機嫌だったのは、言うまでもない。

おわり…


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