キャンプの暖房・七輪と一酸化炭素

山猫

2013年11月14日 18:02

七輪をキャンプで使う者としては、あの暖かさもかなりの魅力です。
でも幕の中での炭火使用は、どうやっても危険です!
絶対にやめましょう!




2013.11.2〜4 大見いこいの広場にて、ご一緒した皆様の協力の下、実験第1段階を行いました。

また皆様のキャンプ暖房も見せてもらいました。


2013.11.2〜4 大見いこいの広場 秋の陣。

もちろん皆様にお会いする事が1番のビッグイベントではあったのだけれど、


クワトロさんが、警報機を買ったという事前情報を入手。

"当日、使わせて下さいね!"とコメントでもアピールし、現地でもお願い。

まだ電池も入れてない箱に入ったままだった警報機の動作確認の任務を買って出る事にした。
※ありがとうございましたm(_ _)m


まずは今回ご一緒した皆様の暖房は、どれも一度はキャンプブログで見た事のあるもの。

ゆうにんさんの石油ストーブ


Flagさんの武井バーナー501


kazuuraさんのアルパカ


みのとと+みのかかさんのフジカ


クワトロさんの薪ストーブ


ズボラ家族さんのレインボー


ゴリゴさんもフジカ、yukkyさんはアルパカでしょうか。
クワトロさんは薪ストーブの他にアルパカ、コタツも持参されていた。

冬のキャンプではどれも定番、多くの方が使われている暖房。

皆様、高級幕に加えて寒さ対策もバッチリでした。



さて、山猫の冬キャンプの暖房は、セラミックFFとコールマン508A、タープの下の強い味方である焚火、そして七輪などがラインアップ。


その中でも今回、七輪の一酸化炭素の危険を調べて見たかった。

炭火は完全燃焼が始まれば(火がおきれば)、煙は出ないもの。
ただし木炭の燃焼には必ず一酸化炭素が発生する。



日本では囲炉裏、火鉢などでも使われてきた。
昔の日本家屋には隙間が多かったとは言え、一酸化炭素は大丈夫だったのか。
炭火にはどの程度の危険があるのか。

たとえ隙間があっても、テントのような小さな空間では、あっという間に一酸化炭素が充満します!
幕内での炭火使用は絶対にやめましょう!


※このレポは炭火を屋内で使用する事を推奨するものではありません。
またここに書かれたものは、入念な準備を行ってから実施したものであり、安易に真似をしないようお願いします。



まずは、悪天候時を想定したシェルター内レイアウトの中に、火がおきた状態の七輪を持ち込む。



クワトロさんからお借りした警報機を握りしめ、中へ入る。

上部のベンチレーターを開放し、サイドのメッシュは両方3分の1ほど開放。

まずは炭火がおきている真上に警報機をかざしてみる。
すぐに液晶のカウンターが点灯し、しばらくすると一気に数値は370ほどまで上昇。

ピー!ピー!

けたたましく鳴る警報機。

「ク、クワトロさん、ち、ちゃんと作動してますよ」とびびって警報機を投げ出しそうになりながらも、何とか堪える。

音を聞きつけてまず駆けつけてくれたのはFlagさん。


「何してるんですか!? うぉ!燃えてる」とシェルター内で炎をあげる七輪の炭火を見て去って行くFlagさん。

「ええい!あの握手は何だったのだ!

と思っていると(嘘ですよw)、次に来てくれたのがゆうにんさん。



「お!?やってますね!」と笑顔。

「ゆうにんさん、ちょっと一緒に付き合って下さいよ」と無理やりゆうにんさんの手を掴みシェルター内へ拉致。

さっきは七輪の真上に警報機をかざしたのだ、一酸化炭素直撃は言うまでもない。
今度は人が座ってる辺りで実験だ。

少し引きつり気味のゆうにんさんの顔を見ながら、
「じゃ、閉めますよ〜」と話しかける。

「は、はい、了解ですよ」

最早、ゆうにんさんの顔に笑顔は戻らない。

入口をクローズ、ベンチレーター開放、サイドメッシュ2面を3分の1開放の条件。

警報機は山猫の胸辺りに持った。
ほぼクローズと言えるシェルター内はとても暖かく、温度計は18℃を示す。

昼間なので外気は15℃程度だったはず。


始めは何も表示されず消えたままだった警報機だが、しばらくすると液晶が光り、数値が動き出す。
70…165…と上がっていき、240となった時点で、






ピー!ピー!

「鳴りましたね…」

ゆうにんさんと2人、顔を見合わす。
どうやら警報機は200を超えるとアラームが鳴るようだ。

ちなみに数値が1,000を超えるとかなりやばい状態らしい。

5分ももたずにアラームを鳴らしてしまう炭火に、
「こ、これは…やはり七輪は危険だって事ですかね…」

と打ちひしがれる山猫。

「一酸化炭素は空気と同じ程度の重さらしいんですよ、だから外気を取り入れる吸気口とベンチレーターからの排気があれば行けるんじゃないですか」

とゆうにんさんがなだめてくれる。

「やっぱり入口は下の方を半分くらいでも開けた方がいいんじゃないですかね」と冷静さを取り戻したゆうにんさんが事態を分析してくれる。

「なるほど、それで行って見ましょう!」と山猫。

まだだ!まだ終わらんよ!
※すいません、お約束で(^_^;)


こんな感じで入口をあけて見る。

再び計測開始。

しばらくは点灯しない液晶画面。
今回は最も守るべき子供用のチェアにセットしている。

「動きませんね…」
と言っているうちに、またもや液晶点灯。

だが、70…125…と数値が上がったあと、60…消灯。


「いけましたね〜!」とゆうにんさんと笑いあう。

一般に屋内用と言われるストーブには不完全燃焼防止装置がついており、不完全燃焼が起きなければ大量の一酸化炭素は発生しないようだ。(でも多少は出ているよう)

だが屋外用のストーブにはこの防止装置がないため、不完全燃焼時に一酸化炭素を大量に発生させてしまう恐れがある。

もちろん、屋内用ストーブだって、防止装置が初期不良や故障する場合がある。
だからこそ警報機は大事なのだろう。

そんな事をゆうにんさんと2人で話しながら鳴らない警報機を眺める。

※だからと言ってシェルター内での炭火は安全などとは一言も言っておりません。
十分な準備をしない限り絶対に真似をしないようお願いします。

細心の注意をしても警報機の数値は危険な水準を簡単に示します。
テントの中ではもちろん、スクリーンタープの中でも炭火の使用は絶対に間違いなく危険です!!


今回の実験をまとめると、
①一酸化炭素警報機はやはり必要

②吸気と排気、室内の空気の流れを作ってやる事で、一酸化炭素はかなり軽減されるようだ、やはり一面はフルメッシュ&ベンチレーター開放は最低の条件かもしれない

③燃焼効率の良い(=少ない炭でも強力な火力)七輪でもこの結果なのだ、スクリーンタープの中で、大量の炭を使うBBQコンロなら、もっと注意が必要であろう

という結果だったが!

正面入口を半分オープンで、ベンチレーターやサイドメッシュも多少オープン。

この条件で、気温1ケタ、または氷点下の時に、七輪炭火がどの程度の暖房効果を発揮するかは謎である。

灯油ストーブと比べると、隙間風の入る環境での暖房効果は未知数であり、わざわざここまでのリスクを背負ってまでやる必要があるのか

※2015年現在、個人的には幕内での火気は炭火に限らず、とても危険だという結論に達しております!
自己責任で、などという甘い考えではなく、危険なので絶対にやめましょう。命に関わります!
こうすれば大丈夫なんていう方法はありません!


この日の夜の宴会で、

「警報機、鳴らしてましたね〜w」
と多くの方に突っ込まれたのは言うまでもない。
お騒がせしてすいませんでしたm(_ _)m

そして、クワトロさんありがとうございました。
警報機は約束通りクワトロさんのとこからポチります!(楽天でお願いします)

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